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お子さんの歯の健康を守る「クラウンキッズ」

当院では、お子さんに一生健康な歯でいてほしいという願いから、お子さんの歯の健康を総合的に管理するサポート型定期検診クラブ「クラウンキッズ」を設けています。プロの技術と知識で一人ひとりに最適な予防措置を行い、生涯歯で困ることがないようにしっかりとサポートさせていただきます。初診時に、会員専用ノートをお渡しいたします。会員専用ノートは、医師からその日に行った治療の内容を、お母さんからお子さんのお口の中で気になることなどを昔の交換日記のような形でやり取りして、よりお口の健康に興味を持っていただくためのコミュニケーションツールです。小さいお子さんがいると治療前後にゆっくり説明をすることが難しい場合もあるため、帰宅後に読んでいただき、治療内容の振り返りやご自宅でのケアに役立てていただいています。

よく噛むことのメリット

しっかり噛むことは子どもにとっても大人にとってもメリットがありますが、特に成長期のお子さんの健康な身体づくりに大きな影響を与えます。噛むことによってお口周りの筋肉の発育が促進されて、骨の状態が良くなって歯並びが整う傾向が見られ、食べ物が細かく粉砕された状態で胃に送られるため消化吸収が良くなります。よく噛むと唾液の分泌が増え、お口の中の細菌の繁殖を抑えると同時に、口の中を綺麗にする自浄作用を促すので虫歯防止の効果もあります。また、口を開けていると噛めないことから、よく噛むことはしっかり口を閉じることに繋がり、鼻呼吸へと導きます。口ではなく鼻で呼吸をすることで空気中の埃の侵入を防ぎ、適度に湿った綺麗な状態の空気が喉や肺に送り込まれるので、風邪を引きにくい強い体に育ちます。よく噛む習慣をつけるには、普段の生活で食事に歯ごたえのある素材を使ったメニューを取り入れたり、時には噛んだ数をご家族が隣で数えてあげながら楽しく食事をしたりと、家庭でできる工夫を取り入れると良いでしょう。

乳歯の虫歯を放置することによるマイナス面

乳歯が虫歯になった時に「それほど痛がっていないから」「いずれ大人の歯に生え変わるから」と治療をせずにそのままにしてはいないでしょうか。乳歯の虫歯は進行が早く広がりやすいため、何も対処をしないで放置しているとあっという間に進行して痛みを感じるようになることが、まずは自覚しやすいデメリットです。虫歯が神経まで到達してしまい、本来自然に抜けるはずだった時期よりも早く抜歯をした場合は、空いた場所に隣の歯が寄ってくるため、歯並びも乱れてくる傾向があります。また、虫歯があることでしっかりものが噛めなくなり、上で挙げた噛むことのメリットを受けられなくなります。しっかり噛まない癖が残り、ほとんど噛まずに丸呑みの状態で食事をする習慣を続けていると、口や顎の周りの筋肉が弱くなり、気がつくと口が閉められずにぽかんと開いた状態になってしまいます。乳歯だからといって放置するのではなく、乳歯だからこそ大切にして、しっかり治療を行うことが大切です。

かかりつけの歯科医院を持つことのメリット

かかりつけの歯科医院を持つことで、お口の中に何か変化があった時に、早期に発見して的確な対処ができます。また、長く通っていただいている患者さまについてはお口の中の状態や過去の治療歴が医師の頭の中にすべてインプットされているので、「どの治療法を選択するべきか」「この歯は残すかどうか」といった決断を迫られた時に、判断するための正確な情報が揃い、より的確な診断が可能になります。保護者の方に治療の説明をする上でも、かかりつけとして普段からコミュニケーションを取っている方がよりスムーズに話が伝わり、深く理解していただけることが多くなります。虫歯などのトラブルがなくても、3~4か月に1回ほどのペースで歯科医院を訪れて歯の状態をチェックしてもらうことが理想的です。市区町村では1歳半検診として歯の検診が実施されていますので、問題がないようならそろそろかかりつけの歯科医院を作るタイミングといえます。

お子さんをお連れする保護者の方へのお願い

子どもたちに最善の治療を施す為には保護者の皆さまのご協力が不可欠です。まずは普段から「悪いことをしたら歯医者の先生に歯を抜かれるよ」といった形で引き合いに出すことを避けるようお願いしています。歯医者は怖いところだというイメージが一度刷り込まれてしまうと、なかなか払拭できません。また「今日は何もしないよ」「見てもらうだけだから」と言われて連れてこられたお子さんは、実際に治療が始まると噓をつかれたと感じて心を閉ざしてしまいます。信頼を損なわないためにも、親御さんには「何をするかはわからないから、先生に聞きましょう」というスタンスを取っていただいています。そして、治療が終わったら抱きしめてたくさん褒めてあげてください。しっかり褒めてもらうことで頑張ったことへの自信と、次も頑張ろうという意欲に繋がり、お子さんの精神的な成長を促します。

歯についての年齢別ポイント

0歳~3歳

この年齢で虫歯になることは少なく、よく噛むことなど生活指導のアドバイスをすることが中心となります。指しゃぶりについてのご相談をよく頂きますが、いつまでも続けていると前歯が突き出す上顎前突(いわゆる出っ歯)になりやすいので、目安としては3歳ぐらいまでにやめることを目標にすると良いでしょう。指しゃぶりはメンタル面も深く関わってくる癖であり、これをすればかならず治るという方法はありません。お子さんが指しゃぶりがやめられずに困っているお母さんに対しては、他のお子さんで指しゃぶりが治った事例をご紹介し、さまざまな手立てを試していただいています。

3歳~6歳

甘いお菓子を食べる機会が増えてきて、奥歯が生えてくることもあり歯と歯の間に虫歯ができやすくなります。一度にたくさんの量を食べられない子どもにとって、昼食と夕食の間のおやつの時間は必要な栄養をとる意味で大切ですが、だらだら食べ続けることは歯の健康のためにも好ましくありません。時には骨や歯を強くするカルシウム入りのおやつなども取り入れながら、時間と量をしっかりと決めて与えることで虫歯になりにくい口内環境作りを促進できます。「歯磨きを嫌がってさせてくれない」というのもこの時期特有の悩みですが、長い時間しっかり磨いて綺麗にしなければと気負う必要はありません。お子さんの機嫌が悪い時は手早く済ませて構いませんので、短い時間でも食べた後に必ず磨く習慣をつけることを優先しましょう。

6歳~12歳

お子さんが小さい頃には何かあればすぐに歯科医院に連れてきていた親御さんも、小学校の高学年になると年に一回の学校歯科検診で何か通知があった場合だけになってしまうことが多くなります。しかし検診でどこか一箇所問題が出た時は、実際にお口の中を見てみるとそこだけではないケースが多くなっています。また、学校の検診はクリニックのような設備が整っておらず、歯科用ライトのない暗い環境では乳歯の歯の間の虫歯なども見落とされがちです。学校検診で「虫歯なし」との結果だったお子さんが、レントゲンで確認すると多数の虫歯が見つかった例もあります。「学校検診で問題なかったから」「学校でフッ素洗口しているから」と安心せずに、普段からかかりつけの歯科医院を持って、虫歯がないか、歯磨きがしっかりできているかを定期的に確認することが必要となります。

お子さんが歯の怪我をした場合

運動量の多い元気なお子さんは、普段の生活や遊び、スポーツなどの場面で歯が欠けたり、折れたり、抜けたりする経験をすることがあります。そのような歯の外傷の際には、可能なら抜けたり折れたりした歯をご持参の上、すぐにご来院ください。歯には根の部分と骨を繋ぐ歯根膜という組織があり、この部分が残されていれば歯を元に戻せる可能性が高まります。しかし歯根膜はとても乾燥に弱いため、来院までに保湿した状態を維持することが必要です。一番良い方法は生理食塩水に浸しておくことで、学校の保健室などには備えられている場合があります。生理食塩水は人間の体の塩分濃度に合わせて作られており、滅菌された清潔な状態でパック詰めされているため歯を良い状態で保存できますが、すぐに手に入れることが難しければ牛乳に浸す方法も有効です。細菌感染を防ぐために歯を汚れた手で触らないこと、ゴシゴシこすって洗わないことを心がけて早めにご来院いただければ、できる限りの治療を行います。